Anvil Miniaturesの新製品が発売されたため、旧製品と共にオーダーしてみた(Anvil Miniatures製品の入手については、オンラインストアリストAnvil Miniatureの項を参照)。今回発売になったものも、以前同様小気味良いモールドと手ごろな価格(日本円で3千円以下)で相変わらず素晴らしい製品に仕上がっている(写真1)。
T-34 split track type Aは、SU-122で使用例の見られるもので、2分割リンクの中央部分が抜けている比較的特殊なものである。製品化されるのはこれが初めてであろう(写真2)。
一方、T-34 split track type Bはよりメジャーな2分割タイプであり、殆どの「たれ/鋳造砲塔」T-34-76はこれを履いているなど、戦車型・自走砲型を含めて使用例は幅広い。このタイプも模型化されるのは世界で初めて(写真3)。
IS/ISU split trackはモデルカステンと同様のタイプであり、最近の説によればKV後期型にも使えるものということ(組んだ写真はなし)。モデルカステンの可動式JS用履帯は分割部分が溝としてモールドされているだけだが、この製品では実際に左右に分割されたものが入っている(上記T-34の分割型2種も同様)。
Anvilの製品はClick-linkシステムという接着剤なしのはめ込み式組立方式を採っている。タミヤ1/25のT-34/85の履帯の組立をイメージしてもらえれば良いが、材質はあれほど柔らかくはなく通常のレジンの質感である。試しに組んでみたリンクはパチパチと繋がり大変気持ちが良い。履帯ピース同士の接合は、微少な凹凸のはめ込みによってなされるが、これがレジン製であることを考えると相当の成形精度が出ているものと思われる。説明書の解説によれば、塗装可能の材質とのことで一安心。モデルカステンの可動式一気組に比べれば面倒で、フリウルよりはかなり簡単、といったところか。全部組むのには結構時間を要するかもしれない。
画質が悪くて恐縮だが、以下の写真を参考にされたい。
写真1:製品パッケージ。袋の中には、Zip-Lockに入った履帯ピースと説明書が入っている。
写真2:T-34 split track type A 。分割リンクの中央が抜けている特殊なタイプ(通称「中抜け」履帯)。
写真3:T-34 split track type B。分割リンクかつ可動であることがよくわかる。製品には誘導輪位置のアジャスター部品と簡単な説明書が含まれている(アジャスター部品はT-34系製品共通パーツ)。