海外通販入門


なぜ海外通販を利用するのか
海外通販を利用することは手間・時間・リスクを伴う極めて煩雑な模型購入手段です。巷に良質の模型店が多くある中、敢えて海外通販を利用するにはいくつか理由があります。
 
私が海外通販を利用するようになった第一の理由は、国内では入手できない(若しくは入手が難しい)魅力的なアイテムが簡単に購入できることです。AFV氷河期の頃から海外製の良質なガレージキットの存在が国内にも知られてきましたが、当時は郵便若しくは国際FAXによる方法でしか連絡できなかったため、一部専門店ならまだしも個人による海外直販購入は困難でした。ところが、インターネットホームページ・電子商取引の普及により、以前では想像できないくらい手軽に個人輸入することができるようになったことも大きな理由です。
 
また、東欧を中心に新資料・新キットが続々と発表され、こんなものまで!といったアイテムまでインジェクションキット化されてきており、魅力的な海外製品は増える一方です。こうした海外製アイテムをいち早く入手するためには、正規ルートを待つよりは個人輸入に頼った方が早いというのが第二の理由です。
 
さらに、模型市場が産業規模として小さくかつ寡占的であるが故に、海外製品の国内流通価格が高めに設定されているため、国内ではとても手が出ない流通価格のアイテムを、海外から直接安く購入することができるというのメリットが第三の理由です。
 
今後、インターネットコマースの普及を背景に、海外通販を利用した模型購入も一層普及していくと思います。このページでは、これから海外通販を利用してみたい人、また今まで利用してきた人にも役立つような情報を提供していきたいと思っています。
 
支払方法
インターネットコマースサイトでの決済手段はほとんどがクレジットカードです。日本では日常クレジットカードを使う機会は少ないですが、欧米では現金よりもクレジットカードによる支払いが主流といっても良いでしょう。日本国内の通販であれば、代金引換、また将来的に可能でなるであろうコンビニでの支払いが簡単ですが、海外通販では残念ながら利用できないでしょう。とはいえ、IMO(International Money Order: 国際為替)を送るのは面倒ですし、時間もかかかりますので、クレジットカード決済がベストです。
 
一部のオンラインホビーストアのサイトではセキュアサーバによるクレジットカード情報の受け渡しが可能になっています。これでもセキュリティ面での不安がないと言えば嘘になるのですが、amazon.comCDNow等に比べて圧倒的にtrafficの少ないサイトですから、攻撃される可能性も格段に少ないと考えて良いのでは、と思います。個人的にはあまり神経質になって不便を感じるのもどうかと考えています。セキュアサーバがないところでは、FAXによってカード情報を送ることになります。場合によっては、カード情報を複数のメールに分けて(できれば違うアドレスから)送るという手段でも良いと思います。
 
カードで決済するときに気になるのが、課金時期のズレによる為替差損が生じる可能性があること(円高時に購入したのに円安時に引き落とされる)と、カード会社の両替レートが為替実勢相場よりも若干不利であることです。一つの対応策としては、Citibankのマルチマネー口座とドルカード(Dollar Card)を利用することが考えられます。マルチマネー口座はインターネットによるタイムリーな円・ドル(乃至他国通貨)為替取引による資産運用が主目的です。ドル口座から直接ドルを引き出すことはできないのですが、VISAのCitibank Dollar Cardを作ると直接ドル口座から決済してくれます。
 
ただし、Citibankの口座はminimum deposit(口座の最低保持金額)を平均で下回ると口座維持手数料を取られてしまうことと、ドルカードの年会費を取られることから、海外通販(及び海外渡航)の頻度を勘案しておかないと、必ずしも得にはなりません。なお、ドルカードは国内では使えません。
アメリカの銀行に口座を開設して、クレジットカード作ることを考えられるからもいらっしゃるかもしれませんが、居住者以外が銀行口座を開設して、アメリカでは全く信用履歴(credit history)のない外国人が口座を作ることは殆ど不可能だと思われます。日系のSanwa bankやUnion Bank of Californiaだったら、ひょっとしたらできるのかもしれません(憶測です。無責任ですいません)。スイスの銀行だったら外国人がドルで口座を作ることもできる…のでしょうか?。
 
最後に紹介する決済手段は物々交換です。クレジットカードによる決済を受け付けていないところとの取引には、ダメもとで物々交換を提案してみるのも手です。頻繁に模型店に出入りしている人であれば、IMOを作って送る手間と対して変わらないのではないでしょうか。
欧米系クレジットカード会社は金融危機後のロシアの会社を信用していないので、ロシアからものを取り寄せるときにも有効です(例外についてはTushino-Aviapressの項で紹介する予定)。今までに2回物々交換をしましたが、2回とも相手がビジネスマンと言うよりは生粋のモデラーだったので、お金よりは物の方が魅力的だったのかもしれません。日本の模型や書籍は海外では結構高値ですので、お互いに有利な条件で取引をする事はそれほど大変ではありません
 
税金の話
海外通販は個人輸入になるため関税が賦課される場合があります。本来であれば全ての荷に賦課されるのでしょうが、現実には徴収されずに素通りする場合の方が多く、さほど気にすることはないでしょう。私は一度だけ徴収されたことがあります。郵便屋さんに請求されたら運が悪かったと思って諦めて払いましょう。ちなみに、個人輸入は貿易外収支で計上されているはずですので、個人輸入が活性化しても日本の貿易黒字の縮小には全く貢献しません。
ついでなので触れておくと、アメリカでも日本の消費税のようなsales taxが徴収されています。ニューヨークで8.25%、カリフォルニアで7.75%という高率です。ただし、最近のオンラインショッピングの慣行(どこかで判決が出ているかもしれない)では店舗がない州での売り上げにはsales taxを課さないことになっているようです。もし、海外通販をした場合で、国内のsales taxが加算されて請求された場合(深く考えずに惰性で計算してくる場合が往々にしてあります)は、先方にクレームを付けてみると良いでしょう。クレジットカードで決済した場合は、逆課金(マイナスではなくプラスでも課金できます)してくれるはずです。
その他
準備中。取り上げてもらいたい項目があればメールでリクエストください。
 

ご質問等があればこちらまでメールでどうぞ。可能な範囲で海外通販に関してアドバイスします。一般的なご質問はこのコーナーで取り上げていきます。



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